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ウエスタン・レッド・シダー材

ウェスタン・レッド・シダー材

ウェスタン・レッド・シダー材

属・科目 ヒノキ科ネズコ属 針葉樹
原産地 カナダ
主要用途 デッキ・フェンス・屋根材・外壁材
耐久性 特有の芳香をもち、虫害を防ぎ・腐食にも強い耐久性を示します。
周囲の温度・湿度変化による膨張、収縮が少なく寸法も安定していますので、デッキ材等 気候条件の厳しい所に最もお勧めしたい木材です。
加工性 軽量で扱いやすく、気質は緊密かつ柔軟。
加工が容易で平滑な面に仕上げることができ、ヤニなどの樹脂含有物が極めて少ないため、塗装しやすく美しく仕上がります。
その他 柾目と板目などを交互に利用しまだら模様に見せ、さまざまな色があります。

ウェスタン・レッド・シダーの特性

ウェスタン・レッド・シダーカナダ太平洋岸に位置するブリティシュ・コロンビア州、その沿岸部には「カナダ五木」と称されるウェスタン・ヘムロック、ウェスタン・レッド・シダー、イエロー・シダー、ダグラスファー、シトカスプルースといった樹種が壮大な温帯針葉樹林帯を構成し、25億立方米の成熟林蓄積を有して、世界でも有数の林産企業を育んでいます。生長量に見合った木材生産に抑えることを徹底し、次世代に貴重な森林を継承する保続生産体制を確立したカナダの森林管理システム。この管理徹底した森林の中で、ウェスタン・レッド・シダーは太平洋岸沿岸部についてみると、ウェスタン・ヘムロックに次いで蓄積が豊富な樹種となっています。その蓄積は沿岸部の約12%、製材生産量では実に24%のシェアーを占める特色ある樹種です。成木は樹高50mから60mまで生長し、胸高直径は2.4mに達し、その製材品では800年経過してなお製材品としての性能を保持している事例も報告されているほど耐久性には定評があります。

分布また細かくまっすぐな木目、ヤニのなさ、密度が低いことによる断熱性の優位性や軽さ、そして取り扱いやすさ、仕上げの容易さ、寸法の安定性等も、他の木材とは比べようのない利点です。

ウェスタン・レッド・シダーは、どんな用途にも適していますが、特に意匠性を重視したい場合や、気候条件の厳しいところに最もお勧めしたい木材です。

ウェスタン・レッド・シダーはエクステリアとして最適な材質です。

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使いやすさ

木目がまっすぐで、均一な材質であるウェスタン・レッド・シダーは、のこ、かんな、サンダー、いずれの加工でも美しく仕上がる使いやすい木材です。釘中も容易で割れが起きず、いろいろな接着剤が利用できます。

密度

ウェスタン・レッド・シダーの全乾比重は0.35、気乾比重は0.37で木材の中では小さい方に属します。製材品1立方メートル当たりの全乾重量は、ウェスタン・レッド・シダーが353kg、ダグラスファー(米マツ)が497kg、サウザンパインが546kgであり、北米産針葉樹林材の中でもその軽量さは抜きに出ています。重量が軽いということはルーフデッキングとして使用する場合など、屋根に加わる固定荷重を少なくでき、支持材の数量も少なくすることが可能となります。また、運びやすく、扱いやすいことも軽量ならではの利点でしょう。

寸法安定性

表-3

表-3

木材に含まれる水分には、細胞空隙に含まれる自由水と、細胞壁に吸収されている結合水とがあります。木材を乾燥すると、まず自由水が蒸散しますが木材の収縮は起きません。さらに乾燥し続けると、今度は結合水が蒸散し、木材は収縮し始めます。すなわち、収縮の度合いは、蒸散する結合水の量に比例しています。

他の木材と同じくウェスタン・レッド・シダーにも吸湿性がありますので、環境に合わせて水分を吸収したり発散させたりします。しかし、ウェスタン・レッド・シダーは他の針葉樹に比べて収縮率が極めて低く、反ったり、曲がったり、割れたりすることが非常に少なくなっています。半径方向、接線方向での収縮率は表の3のとおりです。

塗装仕上げ

耐久性に優れているウェスタン・レッド・シダーは、仕上げ塗装をしないまま屋外に使用しても大丈夫です。耐久性をさらに高めたり、より長く美しさを保持しようとする場合は仕上げ塗装をすることをお奨めします。この場合でも、他の針葉樹よりヤニがなく寸法も安定しているウェスタン・レッド・シダーは、多種類の塗料(ペイント、ステイン、オイル等)を使用することができます。ウェスタン・レッド・シダーには、油性、水性、のいずれも使用できます。ただし水性の塗料を使用する場合には、木材からの抽出成分の滲出を防止できるものを使用して下さい。ウェスタン・レッド・シダーの耐久性と色相は、水溶性の抽出成分によるものです。水性塗料の水分によって抽出成分が溶かされると、木の材面が変色してしまいます。万一このようなシミができてしまった時には、アルカリ性洗剤の薄い溶液をつけると除去できます。

ステインは、表面に膜を作ることなく木に浸透しますので、ペイント仕上げの場合のように塗膜がはがれたり、気泡ができたりすることがありません。ウェスタン・レッド・シダーには、3種類(透明、半透明、着色)の浸透性ステインを使用することができます。ステインの場合も、油性、水性、のいずれを使っても結構ですが、水性の場合は、抽出成分の滲出を防止できるものに限ります。

ウェスタン・レッド・シダーに適している内装仕上げ用塗料は、ワックス、オイル、ラッカー、ニス、合成樹脂塗料等です。

熱伝導率

木材には優れた断熱性があります。夏には建物を涼しく保ち、冬には暖房費を節約できるという点は、木材の大きな長所です。木材の断熱性は、その密度に左右されます。低密度材の断熱性は、最も優れていますが、これは細胞の空隙が多くあるためです。乾燥材の場合、この空隙に空気が入り、断熱性が高まります。

低密度で空気を多く含んでいるウェスタン・レッド・シダーの断熱性は、他の針葉樹や煉瓦、コンクリート、鉄等と比べ、はるかに優れています。ちなみに含水率12%の場合ウェスタン・レッド・シダーの熱伝導率(λ)は0.0918kcal/mh℃でヒノキ、マツ等を15%程下回っています。

火炎伝播率

火炎伝播率は、早い延焼を防ぐために内装用仕上げ材を規制する際参考にします。発煙の可能性がある場合や、煙の動きを制御しなければならない場合には、火炎伝播率と煙拡大度(Smork Developed Classifications)を併用します。耐火未処理のウェスタン・レッド・シダーでは、火炎伝播率が69(Class Ⅱrating)、煙拡大度が98となっており、針葉樹、広葉樹を問わず他の樹種より優れた耐火性を示しています。したがって防火上の心配があり、他の木材を使いにくい建造物の場合にも、ウェスタン・レッド・シダーなら使用することができます。

音響効果

木材がもつもう一つの多きな長所は振動を吸収する性能です。木材には微細な気孔が結合した細胞網があります。これは内部の摩擦と粘性に強く、木は細かい繊維を振動させて、音エネルギーを熱エネルギーに変換します。

こうした内部摩擦が極めて強いため、木材には他の建材よりも優れた吸音効果があります。したがって床、天井、壁等に木を適切に利用すれば、経済的であるばかりか優れた音響効果が得られます。音響効果の高いウェスタン・レッド・シダーは、特に音の大きさを制御したり、反響させたりするのに使用すると大変効果的です。

耐久性

ウェスタン・レッド・シダーの最も重要な特徴は、優れた耐久性です。ウェスタン・レッド・シダーは、針葉樹の中でも最も耐久性があり、ほとんどどんな環境条件のもとでも長年支障なく使用できます。ウェスタン・レッド・シダーの耐久性は、thujaplicinsと呼ばれる殺菌力のある抽出成分と、thujic acidという防虫性能のある抽出成分によるものです。

直接地面と接するところに使う場合や、腐朽しやすい環境にウェスタン・レッド・シダーを長期使用する場合には、適切な防腐処理を施すことをおすすめします。しかし、ウェスタン・レッド・シダーには優れた耐久性がありますので、屋外使用の場合でも、一般には防腐処理をしないまま風雨にさらして使用しても大丈夫です。

強度

下表はNLGAルールに基づいて格付けされたウェスタンレッドシダー製材品について、カナダでの強度試験結果を米国の設計基準に沿って誘導された許容応力度(表-4)およびその修正係数(表-5)です。日本における許容応力度とは算定方法に差異があるためそのまま使用できませんが参考値としてください。

表-4

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表-5

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